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通信速度比較

【全12社・24時間測定比較】キャリア&格安SIMの通信速度の調査報告

2017/04/21

【全12社・24時間測定比較】キャリア&格安SIMの通信速度の調査報告

大手3キャリアと格安SIM(MVNO)を対象に、各社の通信速度の実測値を調査しました。実測調査にあたり、24時間ごとの受信速度、送信速度の変化の様子を取得するため、定量的にモバイル端末の通信情報を取得できる測定アプリ「PS-Test」を用いて、調査対象となる各社の集計データをまとめました。

測定データについて、2017年3月~4月までの間で、横浜みなとみらいにあるビルの屋内にて、平日の混雑時間帯となるお昼の12時から翌日の11時までの通信記録を測定しました。全12社の中で最も通信速度が安定している回線はどこか、また各時間帯の混雑状況などから通信速度にどのくらい変化があるのか、測定結果を参考に詳しく見ていきましょう。

キャリア・格安SIM(MVNO)における通信速度の時間帯別推移

キャリア・格安SIM(MVNO)における受信速度の時間帯別推移

上図から全12社の通信速度を比べると、受信速度に関して、各社共通して右肩上がりのグラフを示し、深夜以降の時間帯からパフォーマンスが大きく向上しています。12時から0時までのアクティブユーザーが多い時間帯では、20Mbps以下で推移しているのが分かります。

全12社の中で最も高いパフォーマンスを示したのは、回線供給元である大手3キャリアを抑え、格安SIMのmineo(Aタイプ)が63.6Mbpsという記録的な数値を叩き出し、僅差でau61.2Mbpsが並ぶ展開となりました。次いでソフトバンク34.1Mbps,、ドコモ24.8Mbpsという順番になっています。

格安SIMの場合、キャリア回線を利用することでサービスを提供しているため、一般的にキャリア回線の混雑状況などによる影響を受けやすいと言われていますが、今回の測定結果では予想を反する結果を示しました。パフォーマンスが高かったmineo(Aタイプ)とauは、受信速度に定評のあるau回線のため、今回の測定では各社の回線の特徴が分かる結果となったのではないでしょうか。

ただし、混雑時間帯である12時台で比べると、先ほどの結果と打って変わりmineo(Aタイプ)は0.72Mbps、au4.7Mbpsの数値を示し、混雑時間帯にパフォーマンスが伸び悩む傾向にあります。反対に、ワイモバイル11.8Mbps、ソフトバンク7.5Mbps、ドコモ7.4Mbpsと、ソフトバンク回線が優勢となる結果に変わります。

全体として深夜に通信速度が改善していく中で、一部のキャリア・格安SIM(MVNO)を除き、通勤時間帯の朝の7~8時台、混雑時間帯となるお昼の12時台、仕事の定時時刻の18時台に差し掛かると、急激に回線状況が悪化していく様子が確認できます。特に、キャリアとMVNOの間で明らからな通信状況の違いが読み取れ、MVNOの持つ潜在的な課題点が浮き彫りになっています。

キャリア・格安SIM(MVNO)における送信速度の時間帯別推移

次に送信速度に関して、最も高いパフォーマンスを発揮したのは、ワイモバイルとドコモという結果になりました。受信速度を比べると、時間帯によってグラフが大きく振れるようなことはなく、全体的に5Mbps~20Mbpsの間で推移しています。

その中で、ソフトバンク回線のワイモバイルが突出した数値を示し、最大25.2Mbpsを記録していますが、同じグループのソフトバンクの送信速度はあまり伸びていないようです。その点、ドコモについては多くのMVNOを抱えながらも安定した送信速度を保ち、質の高いネットワーク形成が行われているといえます。

また、反対に通信速度が不安定なのは、先ほどとは対象的にmineo(Aタイプ)となり、一日をとおしてあまり思わしくない状況となっています。しかし、ユーザーとして注意しておきたいのは、通信速度が速いことに越したことはないのですが、日常的に利用する分には5Mbpsほどの数値であれば問題なく利用できるという点です。

高画質な動画や画像の送信には時間がかかる可能性は高まりますが、通常の携帯カメラの画質であれば、そこまで時間がかからずに送信できます。より容量の大きいデータを扱う場合は、モバイル通信ではなく、Wi-Fi接続時に利用するほうが通信の安定面とデータ容量の面で最適といえます。

キャリア・格安SIM(MVNO)に関する受信速度の最大値・最小値

キャリア・格安SIM(MVNO)に関する受信速度の最大値・最小値

上記の表は、各社の24時間にわたる受信速度の数値のばらつきを抑え、複数のデータと比較するために用いる統計的グラフです。前述の折れ線グラフと同様に、auとmineo(Aプラン)の最大値が他社と比べ抜きん出ています。

auとmineo(Aプラン)の最大値はほぼ等しい数値を示していますが、中央値で見ると、mineo(Aプラン)の方が安定していることが見て取れます。auの場合は、24時間のうち僅かな時間だけパフォーマンスを発揮していないことから、中央値に換算すると数値が伸び悩む結果となっています。

各社の中央値を比較した場合、mineo(Aタイプ)の次にドコモ、ソフトバンクが位置づける形となり、auを除いたキャリア回線の方が通信速度にブレがなく一定していることが確認できます。

また、FREETELの中央値は2.6Mbpsと、12社のうち最もつながりにくいMVNOとなり、運営側の対策が急務と言えます。2.6Mbpsという数値はSNSなどの動画や画像の多いサイトを閲覧する場合、読み込みに時間がかかり、快適に利用するのが難しい状態といえます。FREETELの最大値は平均以上の数値を示していますが、深夜帯の一部の時間帯のみのため、日中の通信速度の改善が望まれます。

混雑時間における受信速度の統計グラフ

次の図は、混雑時間における各社の速度の統計グラフにしてまとめたものです。混雑時間の対象となる時間帯は、朝の7時~8時、お昼の12時、夕方の18時までの受信速度の数値を反映しています。先ほどの統計グラフと異なり、中央値を見ると、大手キャリア3社の数値がMVNOよりも高い水準となっています。MVNOとキャリアを比べて、回線の受け皿の大きさが如実に現れる結果となっています。

また、MVNOの中ではmineo(Dプラン)、LINEモバイル、UQモバイル、ワイモバイルの4社がほかのMVNOと比べると影響を受けにくい模様です。特に、ワイモバイルに至っては、中央値で10Mbps以上の速度を記録し、混雑時間帯でも比較的通信が安定しています。

キャリア・格安SIM(MVNO)に関する送信速度の最大値・最小値

キャリア・格安SIM(MVNO)に関する送信速度の最大値・最小値

送信速度に関しては、最大値、最小値ともにすべての項目で、ワイモバイルが最も優位となる結果を示していました。受信速度の場合と一変し、ワイモバイルと対極的にmineo(Aプラン)がすべての項目で最も下回る興味深い結果となりました。

中央値で見ると、ワイモバイル25.2Mbps、ドコモ13.5Mbps、UQモバイル12.2Mbps、LINEモバイル11.2Mbps、楽天モバイル9.8Mbpsという順番になっています。ワイモバイルは他のキャリア・MVNOと比べて、10Mbps以上もの速度が速い結果となりました。

また、先ほどの受信速度と同様に、送信速度でもドコモが2位に位置づけています。今回、調査対象になった12社のうち7社のMVNOはドコモ回線を利用していながら、送受信ともに安定した通信状態を保てているのは驚異的といえます。ドコモは突出した数値を示すことはないですが、時間帯にかかわず通信が安定している点に関して、通信インフラという側面から大きく評価するべきポイントです。

ドコモ回線のMVNO7社について

  1. IIJmio
  2. イオンモバイル
  3. OCNモバイルONE
  4. FREETEL
  5. mineo(Dプラン)
  6. 楽天モバイル
  7. LINEモバイル

集計表示方法について

上記で用いた図表は「箱ひげ図」と呼ばれる統計学的グラフです。箱ひげ図は異なる複数のデータのばらつき具合を示すために、四分位を用いてデータの散らばりを表します。

下図のように最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数および最大値を4当分にして表示します。箱ひげ図の上辺の線は第3四分位、中央の線は中央値(第2四分位)、下辺は第1四分位、ひげの両端がぞれぞれ最小値、最大値を表しています。

箱ひげ図の説明画像

総評

今回の測定に関して、受信速度ではmineo(Aタイプ)、送信速度ではワイモバイルが高いパフォーマンスを発揮し、キャリアを抑えてMVNOが優勢となりました。そして、送受信ともにドコモが2番手に並ぶ形となり、キャリア回線の中では最も優位となっています。

測定の対象となった12社のうち受信速度に関しては、多少の数値のばらつきはありましたが、24時間測定した結果、グラフ全体の動きとして似たような軌跡をたどり、回線の混雑状況に合わせて速度が増減している様子が確認できました。具体的にどの時間帯がつながりにくくなるのか、可視化できた点で有意義な集計データになったといえます。そして、集計データからでも、必ずしもキャリア回線であれば通信速度がよいというものでもなく、そのときの回線状況や通信環境による影響が大いにあると思われます。

「スマホプラン.com」では、定期的に東京駅などでMVNO測定を実施していますが、そのときの傾向とはまた違う結果となり、各回線の基地局の場所やアンテナの角度などによる立地的条件などにも左右されると考えられます。各キャリアから公開されている実行速度の公開情報には、できるかぎり測定環境の良い条件のもと計測が行われているため、今回の24時間測定のような計測方法はユーザーにとっても有益な情報となるでしょう。

今回は横浜みなとみらいのビルの屋内での計測でしたが、別の機会を設けて、ほかの場所でも24時間測定の実施を図っていけたらと思います。

詳細データについて

上記にあるグラフの詳細データについて、下記をご参考にしていただけたらと思います。

受信速度の時間帯別推移

送信速度の時間帯別推移

送信速度の最大値・最小値

送信速度の最大値・最小値

注意事項

※測定に利用した端末は、各社の「Galaxy S6 edge」(simロック解除済み)を利用しています。端末によって利用できない周波数が出ないよう考慮し測定を実施しています。

※本測定結果は、実測データを元にした調査結果です。実測結果は測定時間や周囲の環境などの諸条件により変動します。また、各通信会社ともネットワークの品質向上に日々取り組んでいるため、あくまでも取得時のデータです。

調査期間
2017年3月~4月

調査対象

  • NTTドコモ
  • au
  • ソフトバンク
  • IIJmio
  • イオンモバイル
  • OCNモバイルONE
  • FREETEL
  • mineo(Aプラン)
  • mineo(Dプラン)
  • 楽天モバイル
  • LINEモバイル
  • UQモバイル
  • ワイモバイル ※順不同

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